レポート

UAVと共に更なる飛躍を目指す

株式会社オーシスマップ 画像計測課

2016.04.14

今日はデジタルマッピング、測量、地理情報システムの開発などを行っており、また地図作製の分野で、現在特に注目されているUAV(Unmanned aerial vehicle:無人航空機)を業界でも、いち早く取り入れ業務に活かされている地図情報コンサルタント『株式会社 オーシスマップ』のDM課と画像計測課へ取材に伺ってきました。
因みに『オーシスマップ』は廃校になった中学校を事務所として利用されており、今回で2回目の取材となります!今回も最先端の技術を目の当たりに出来るのを期待しています!(※前回の取材記事はこちらから)

株式会社オーシスマップの外観

人柄に惹かれて決断

画像計測課 課長補佐 矢野尾 貴史さん今回お話しをお聞きしたのが、画像計測課の
課長補佐 矢野尾 貴史 さんです。
とても落ち着いた雰囲気の方で、物腰も柔らかいです。
画像計測課で主にUAVを用いた空撮写真測量を担当されておられます。
早速UAVについて色々とお聞きしたいところですが、まずは矢野尾さんご本人について伺いました。

矢野尾さんが『オーシスマップ』で働くきっかけは何だったんですか?

「仕事を探している時、『今、但馬でオーシスマップと言う会社が元気があって良いよ』と知り合いに紹介されました。また時を同じくして、たまたま大林社長のブログを見掛けたんです。その時、『但馬にこんな熱意をもって起業されている人がいるのか!』と大きな感銘を受けました。そのブログが決定打となり、オーシスマップでお世話になりたいと思いました。」

大林社長は若くして、生まれ故郷の養父市で株式会社オーシスマップを立ち上げられた方です。
地域活性化の為にも尽力されてこられ、その人柄と実績に影響を受けた方々がたくさんおられます。
矢野尾さんもその中の一人だったよう。仕事内容ではなく、大林社長の人柄に惹かれて求人に応募されたとの事。

矢野尾 貴史さんにインタビュー「なにせ、測量の『そ』の字も知らない素人で、まったくの畑違いでしたから(笑)」
当時を振り返る矢野尾さん。
でも表情を見ていれば、その決断が間違いではなかったことが伝わってきます。
未経験だったのであれば、入社初期の頃は色々と気苦労や不安があったのではないでしょうか。

「社内はとても良い雰囲気で皆さんにも親切にして頂いたので、特に不安とかを感じたりはしませんでした。
実務をこなしがら測量について勉強をさせて頂き、3年前の平成25年に測量士の資格も取得しました。」

仕事をしている矢野さん

当たり前の事を真剣にきっちりやる事の大切さ

穏やかでにこやかな矢野尾さん。
お客様と直接お話をされる機会もあるとの事ですが、安心して仕事をお任せできる雰囲気を持っておられます。
日々勉強に取り組まれ蓄積された知識と経験がその雰囲気を作り出しているのでしょう。

また『矢野尾さんにとってプロフェッショナルとは?』の問いに対し、「お客様に安心して頂ける人がプロ」と答えて頂きました。

「仕事で大事にしていることは、お客様に気持ち良く仕事をして頂く事。それには目の前の事をまずは真剣にやる。当たり前の事をきっちりとやることに尽きる。図化の仕事では、まずは手順、方法を遵守する事が重要で、最初の工程であればあるほどその重要度が上がってきます。だから、当たり前の事をきっちり真剣にやることを最も大事にしています。」

当たり前の事をきっちり真剣にやる・・・仕事の基本中の基本だと思いますが、これが高品質の地図を制作されている『オーシスマップ』の原点だと感じました。

UAV S1000+(Unmanned aerial vehicle:無人航空機))

さて、お待ちかね(私が)のUAVについて質問させてください!

UAV S1000+と矢野さん

UAVを使用する業務としてはどんなものがありますか?

「まずUAVを導入して最初に行った業務は、埋蔵文化財の遺跡の発掘現場の測量です。」

遺跡の写真測量ですか。そこでUAVを使うメリットと言えばどんなことがありますか?

業務用ドローン「やはり短時間に自由な撮影が出来る事ですね。対象の地形を何枚も一部分が重なる様に撮影し、パソコン上で3次元地形モデルを作成するのですが、撮影枚数が多ければ多いほど、その精度が上がります。また撮影角度もただ、真下ばかりを撮影するのではなく、色々な角度で撮影した方が良いんです。
その要望に応えられるのが、操縦者によって好きな位置、高度へ移動撮影できるUAVなのです」

 

なるほど、大幅に業務の効率化、精度向上が図れたんですね。
UAVの導入で3次元モデル図を高精度に再現出来る様になり、土量調査や建造物の維持管理への活用が期待されています。また、人が近づけないような災害現場であっても、安全に素早く現地の観測が行えます。

アイデア次第で更に高まる利用価値

「今、UAVの利用方法について色々と模索している所です。現在検討中なのが、赤外線カメラによる空撮です。これによって何が出来るかですが、太陽光パネルの点検が可能になります。現状では太陽光パネルは発電量の低下など、なんらかの異常があった場合はパネルごと交換するしかありません。とても効率が悪いんです。でも赤外線カメラを通してパネルを確認すると異常がある部分は温度が上がっている為、どこが不具合を出しているのかが明確に分ります。ですので、その部品を交換する事で対応出来るようになります。」

なるほど!目からウロコです。
今、太陽光パネルはあちこちに設置されており、どんどん増えています。
設置面積も広く、場合によっては『ため池』の上に設置されている様な場所もあります。そんなところこそ、UAVの出番な訳ですね。

「そうですね。他に赤外線カメラの使い道として、建造物の維持管理としてクラック診断に利用可能です。クラックが発生すると中に空気が入り込むことで、クラックが入っている部分は温度が下がります。その温度の違いを赤外線カメラで検出することが出来ます。」

またまたなるほど!空撮ができるという考え方ばかりでは、思いつかないアイディアではないでしょうか。今回の取材でUAVは、使用する側の知識と技術、そして発想力がなければ本当の利用価値を高める事は出来ない、そう強く感じました。

「UAVは測量業務だけではなく、施設や観光資源などを空から魅力的に紹介する映像の作成にも活用できます。先日、スキー場で株式会社ピーナッツと連携し観光プロモーションビデオ業務としての空撮をさせて頂きました。」

ドローンでスキー場の上部から撮影

普段、目にする事が出来ない視点ということもあり、とてもダイナックで魅力的な画像です!
これなら観光PRや自社のプロモーションビデオの制作にも利用価値が高いですね。
ますます、今後のUAVの活用が期待される業務の一つではないでしょうか。
UAVの可能性は使用側のアイデア次第でどんどん拡がっていく事は間違いない。そう確信できる取材となりました。

ドローンで法面調査 橋梁点検 河川施設点検を

それでは、今回もいつもの但馬のおススメを教えて頂きたいと思います。

教えて!但馬のココを案内したい!名草神社と三重塔僕のおススメは名草神社です。大きな三重塔があり、普段はあまり人は来られないですが古びた感じが良い雰囲気です。お寺、神社好きには良い所だと思います。

 

矢野尾さんの落ち着いた雰囲気にマッチしたスポットですね。
本日はありがとうございました!

株式会社オーシスマップ 画像計測課

〒667-0003兵庫県養父市八鹿町宿南2589-1
tel.079-663-3681