レポート

趣味の呉服 ゆうきからのお知らせ

ゆうき親子の奮闘記

趣味の呉服 ゆうき

2016.04.14

豊岡市庄境の呉服屋さん(和装のお店)「趣味の呉服 ゆうき」に(マイカーで)おさんぽしてきました。県道から少し奥まった静かな平屋のお店にお邪魔すると、金井さんご夫妻とお嬢さまが笑顔でお出迎え。

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金井さんご家族が経営されるお店で、屋号がどうして「ゆうき」なんでしょう?

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▲職人が描く伝統的な和柄が素敵な振袖。柄のひとつひとつに意味がある。

「『ゆうき』は、着物の種類である「結城紬(ゆうきつむぎ)」からとったもので、普段着・オシャレ着として着用する着物の中で最高峰にあたります。
訪問着など特別な場面に着る礼装着だけではなく、普段着やオシャレ、趣味として着物に親しんで頂きたい。着物をもっと身近に感じて頂けるお店を作りたい『趣味の呉服ゆうき』という屋号には、創業者である先代のそんな想いが込められています。人にそれぞれ個性がある様に、着物にもそれぞれ個性があります。何でもお勧めする呉服屋ではなく、お客様に本当に似合う着物をお勧めさせて頂く。
先代から受け継いだ想いを大切にしています。」

「自分に似合う着物」と言われても、中にはピンと来なかったり戸惑う方もいらっしゃるそう。
でも、実際にそれを着てみて周りの反応がとても良かったことから、『ゆうき』のファンになるお客さまも多いとか。

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想いを伝える着物

「着物にはそれぞれ込められた意味があり、日本の文化を伴ったものです。それら先人の想いや伝統を守って、語り継いでいくことも私たちの大切な役目であると思っています。」
ここで、質問をしたくなりました。娘が居るのでいいですか?
最近、テレビでよく成人式で花魁のコスプレを見かけますが、あれは野崎は苦手なんですよね。ゆうきさんは、どう思われますか?(ブラック野崎でました)(;・∀・)
「人それぞれだとは思うんですが、例えば振袖は、本来は未婚女性の正装であり、長い袖で厄を払う。新たな門出に身を清める。などの意味があって着るもので、昔は子供が成人して大人になるということは、それだけで奇跡とも呼べる有難いことだったので、成人を迎えるときに母が娘の生い立ちを語り、大人の女性としての振る舞い方を諭しながら着せてあげていたそうです。」
素敵なご回答ありがとうございます。日本人であることに誇りが持てます。やっぱり、そういうの素敵です!

 

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「着物には、母の想いを伝える力があります。例えば、着物の柄一つ一つにも意味があります。丸い柄は『円満に幸せがいつまでも続きます様に』といった想いが込められています。
また皇后美智子様が皇室に嫁がれる際、毬の柄が入った着物をご両親が贈られたそうです。毬は切れ目のない糸で作られています。民間から皇室へ嫁いでも親子の縁は切れないよと言ったことを着物を通じて伝えられたんです。」

なるほど、最近ではそんなエピソードやお話を聞く事はないですね。
『趣味の呉服ゆうき』さんでは、着物に込められた想いをお客様に伝え、その想いをお客様の娘さんに繋いでいければ、もっと良い関係性の世の中になっていくのではないかと考えられています。

 

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▲ものごしのやわらかいご主人(番頭さん)は、実は元警察官。

「現代社会では家族であっても十分な会話もなく、同じ屋根の下、それぞれが個人として暮らしていく傾向があります。そういった中で事件、犯罪も起きているのではと感じています。
日本伝統文化の着物には、心の豊かさ、親子を繋ぐ力があります。私たちは親子の絆、想いの大切さを伝えていける呉服屋を目指して、日々勉強しています。」

確かに最近は、家庭内での傷害事件が増えている様に感じます。『ゆうき』さんでは、その原因の一つが親子関係の希薄さではないかと考えられているのでしょう。
だからこそ着物を通して親子関係の繋がり、着物に込められた想いを伝えることを大切にされています。ご主人(番頭さん)の着物にまつわるお話、とても奥が深いです。

新たな『ゆうき』が動き出した

現在『趣味の呉服ゆうき』さんは、ご夫婦と3代目を継がれるお嬢様で営まれています。

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201603_趣味の呉服ゆうき_19「去年から娘が3代目に、主人が番頭として3人でのゆうきがスタートしました。正直、私とは気づくポイントが違い、驚くことが結構ありました。
自分とは違った視点で新しい事をやろうとしています。
例えば着物の試着会であったり、浴衣の撮影会など・・・私の考えつかない事だったりするので、どうしても意見がぶつかったりもします(苦笑)
だけど、その新しい試みのおかげで『趣味の呉服ゆうき』を知って頂くきっかけになりました。
やっぱり試着会も良いな・・・と最近は思っています」とお母様。

 

 

201603_趣味の呉服ゆうき_23試着会は3代目のお嬢様がある想いをきっかけに企画されました。

「自分に似合う振り袖って自分では分かり難いはず・・・それなら参考になればと思い試着撮影会を企画しました。
『成人式には行かない』と仰っていたお客様が試着会で、お母様の振袖を試着された際『成人式で着物を着るのが楽しみになってきた!』と仰られ、それを見られていたお母様が涙を流されたり・・・。そういう親子の愛、関係性を直に拝見できる仕事ってなかなかありませんよね。良い仕事をさせて頂いているな、と私の方も感謝しています!今、経験させて頂いている想いを自分と同じ世代の方にも伝えたいと思いブログも始めました。」

そのお話を聞いて、今、私も涙腺が緩みました。

 

人の歓びに立ち会える本当に素敵なお仕事ですね・・・
そんな3代目ですが、実は以前は着物にそんなに興味がなかったそう。
ただ、お母様が着物を着られると「いつもとなんだか雰囲気が違うな」という感覚は小さいころからあった様です。
「実際に自分の着物姿を見ているうちに、自分にはこういう色、柄が合うんだな、ここの帯の締め方はもっとこうすれば綺麗に見えるんじゃないかな、と体を動かして覚えていくうちにどんどんのめり込んでいき、どんどん、どんどん着物が好きになっていました」

今では、職人さんが着物を作られている過程を実際に自分の目で見て、着物を感じたいとまで思うほどに。とびっきりの笑顔で楽しそうに話す3代目。

「自分が勧めさせて頂いた着物をお客様が信じて買って下さり、『ゆうきさん、本当によかったわ!』と喜んで頂くと私も売って終わりにならず本当に良かったと思います。その言葉が自信の原動力にもなっています。今年で15年目になりますが、お客様の声があるから今があると思っています!」と、お母様もとびっきりの笑顔です。

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着物を身近なものに感じて頂き、想いを伝えていく

意見のぶつかり合いがあっても、仲の良いご家族です。
そして、『母の日』には素敵なイベントを企画します。とご主人(番頭さん)。

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「母と娘との繋がりこそが、世の中が創られていく基本だと思っています。着物は日本人の心そのものです。そこが乱れると社会も悪い方へ向かうとさえ感じています。親子の繋がりはとても大事です。そしてそれを繋ぎ想いを伝えていく物が着物です。その着物を母の日に母娘に着て頂く。きっと色んな想いに触れて頂く事が出来ると思います」
毎年、母の日は素敵なイベントを企画されています。
今年のイベントの様子はこちらから・・「きもので城崎物語」

どんどん新しい企画にチャレンジされている『ゆうき』さん。
今後にも大いに期待せずにはいられません。三代目愛織(あおり)さんの奮闘&活躍もとっても楽しみです。
それでは最後に、但馬のおススメを教えて頂きたいと思います。

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「そうですね・・・城崎マリンワールド アジ釣りができて楽しいですよ!
そうそう釣りと言えば、矢田川へ良くマスを釣りに出掛けていました。昔は番頭さんの仕事が忙しく(警官時代)なかなか、家族揃って遠くへ出かける事が出来なくて・・・。
でも水も綺麗だし、とてもいい所ですよ!弟が川に落ちたり(笑)」
素敵な思い出が詰まった、良い場所を教えて頂きました。
『ゆうき』さん、有難うございました。
取材後記:話を伺って、すっかりファンになった野崎はイベント用の藍の着物と名古屋帯をお世話になったのでした。取材のお話通り、私に似合う!をベストセレクトしてくださる妙技にビックリ。着物の相談では絶大な信頼を寄せることとなっております。「きもので城崎物語」

趣味の呉服 ゆうき

〒668-0873 兵庫県豊岡市庄境211-1
tel.0796-22-5646