レポート

モップの縫製工場が作る自社ブランドカバン

株式会社ハイロン

2016.02.02

カバンと言えば豊岡を思い浮かべますが、朝来市和田山で本格的にオリジナルブランドのカバンを作っている会社があると聞き、行ってきました。

株式会社ハイロンの近くの道路 田んぼが広がっている

ん?道を間違えた?住所ではこの辺りのはずですが…

株式会社ハイロンの敷地内

「株式会社ハイロン」…間違いない。え、ここ?!やってる?(超失礼)

10恐る恐る入ると(コラッ!)、さわやかなイケメン社長が迎えてくれました。

株式会社ハイロンの西垣宙志(ひろし)社長

西垣宙志(ひろし)さん、38歳。
25歳のときに勤務先の上海から地元和田山に戻り、お父さんが経営していた縫製加工の会社を継いだそうです。
聞けば、その縫製技術は海外からも研修に訪れる確かなもので、大手業者とも契約を結ぶ創業40年の立派な会社。
数々のご無礼お許しください。

 

丈夫なモップを縫う技術

モップを製造している工場内を見せていただきました。

モップを縫う専門の機械

太さの違う糸を混ぜながら縫製できるミシンや大型の織り機。複雑で扱いが難しそう。

縫製の機械糸が絡まった時は即座に機械を止めて慎重に対応。気が抜けない作業です。
手作業の工程も経てモップの完成。
業務用のレンタルモップは3年くらい使用されるため、いかに丈夫なものを縫うかが重要だそうです。
茶色のモップと紫のモップ数年前から一般家庭用のモップも製造・販売を開始。
人気の「モコモコッ省スペースモップ」(写真)は、狭いところや側面のお掃除にも便利とのこと。
チャックを外せばモップ部分だけ丸洗いでき、取替えも楽々。
コンパクトでかわいい優れもの〜。

自社ブランドをつくりたい

ハイロンのかばん 黒と紺

そして、2015年から新たに始めたというカバンの製造・販売。
きっかけは、取引先の業者から清掃用具を入れるカバンをつくれるところはないかと相談を受けたことでした。

刺繍で名入れ「いろいろ聞いてみたんですけど、どこも手一杯という感じで断られてしまったんです。お客さんも困っているし、注文数も多くないし、じゃあうちでやってみようかってなったんです」と、西垣さん。
元々縫製のノウハウがあったとはいえ、いきなりカバンてところがすごい!
「やってみたらできたんですよ。あ、うちカバンもいけるやんって(笑)」

 

インタビューに答える社長そこからは一気に展開。
2015年春、東京ビッグサイトで開催された「国際バッグEXPO」に出展し、訪れていたロフトのバイヤーと販売契約を結ぶことに。
その後、関東の東急ハンズやセレクトショップでの販売も決まったそうです。

ブランド名は英字で「HYLON」。
「これまで業務用のモップをメインに製造していたので、まったく新しい商品をつくるなら自社ブランドでやってみたいという気持ちが強かったんです」と、西垣さん。
いきなり一流店からオファーがくるなんて本当にすごい!!
企画・デザインからすべて社員と一緒につくっているそうです。聞くと、その過程がまたおもしろい。

 

試作に試作を重ねて

「まずは、社員全員から企画を募集します。その家族からも(笑)。こんなカバンがほしいという、できるだけ具体的な機能やデザインを出してもらって、そこからサンプルをつくります」
素材、形、機能など何パターンもつくり、相談しながらとにかく試作を重ねるそう。
つくっていく過程でどんどんクオリティを高めていくというのが縫製工場ならでは。
「テーマは長く使えるもの。シンプルでベーシックなデザインと機能性を重視しています。」という西垣さん。
丈夫で丁寧な縫製の技術、素材、パーツへのこだわりと自信を話してくれました。

ハイロンのパンフレット

かばんを持った姿を妄想する角田これから生産予定のカバンのパンフレットも見せていただきました。
その中に、そうそう、こんなカバン欲しかったんですよ…という角田好みのカバンが!社員の方は20代〜40代。ターゲットも同世代。やっぱり皆さんの生の声を元につくっているからこそ、ちょうどいい、ユーザーが求めるカバンができているんでしょうか。
販売、待ってます!
ちなみにハイロンさんの商品はインターネットでも購入できますよー。

ハイロンのメンバーたち

教えて!但馬のココを案内したい!

株式会社ハイロン 代表取締役 西垣宙志さん
「外国人の方に城崎温泉を案内すると、温泉街の独特の雰囲気を喜んでくれます」

株式会社ハイロン

〒669-5212 兵庫県朝来市和田山町柳原471
tel.079-672-6688