【美しさ】と【強さ】を兼ね備えた職人技
有限会社 村上瓦工業
2016.01.13
はじめまして、おさんぽたじまの取材に乗じて いろいろな経営者の皆さまからお話を聞くことでデキる男(モテる男)の秘訣を探りたいと思っている よっしー(彼女募集中)です。
今回は養父市で新築 リフォーム 葺き替え 太陽光発電 雨漏り 台風 雪解け後の点検など屋根に関する工事・作業全般を請け負う「有限会社村上瓦工業」社長の一級瓦葺き技能士 村上 進一さんにお話しを伺いました。
養父市内の瓦倉庫
ここは・・・! 瓦マニアにはたまらない!? ちょっとした美術館のようです。
鬼瓦・鯱(しゃちほこ)・飾り瓦など 見た目もユニークなものが多数。通常瓦は葺き替え後に処分するそうですが、長年使われてきたものを捨ててしまうのも勿体ないということで保管されているものもあるそうです。確かにこれはオブジェとしても飾れそう(’_’)
また断熱性にも優れていて、日本家屋にみられる夏場の涼しさも瓦屋根ならではですね。」
1000 年以上に渡って使われ続けるのは、なるほど…確かな理由があるんですね。
・小学校の卒業文集にも「将来の夢は瓦葺き職人」と書いていました
祖父が創業し、父が受け継いだ瓦葺きの仕事、その中で生まれ育った村上さんも小さい頃から自然とこの道で生きていこうと決めていたそうです。高校卒業後に瓦葺きの専門学校に通い、京都で2 年間の修業を積んだあと23 歳の頃に地元 但馬に帰って来られました。
「京都での修業時代には『現代の名工』の称号を持つ師の元で有名寺社仏閣の修繕なども経験させて頂き、瓦葺き職人としての腕を磨きました。」
“本物を追求する” その経験に裏打ちされた確かな技術が村上さんの仕事への自信につながっている。しかし地元に帰って家業を継いだ当初は、瓦葺き職人として現場作業に対するこだわりと、経営者としての立場の間で葛藤もあったそうです。
「とことんまで仕上がりを求めて(単価を上げても) お客様がそれを求めていなければ仕事にはならない。自分が提供したいものとお客様の求めるもののギャップ、そこにどう線引きをするのか今でも考えるところではありますが、お客様が求める条件のなかで最大限の力を発揮することが瓦葺き職人としての自分の役目だと思っています。」
京都で瓦屋根の美しさ・瓦の奥深さを学び、但馬地域の多雨・積雪など屋根にとって過酷な条件を経験し【美しさ】と【強さ】を兼ね備えた職人技!寺社仏閣をはじめ和式建築、洋風建築、現在主流の様々なハウスメーカーの施工洋式にも柔軟に対応出来ること。それが村上瓦工業の最大の強みになっている。
・「オオサンショウウオ育むお米」なんてどうでしょう( 笑)
瓦葺きの仕事は雨や雪の日には作業が行えないため、村上瓦工業の従業員も冬場は近隣のスキー場業務や除雪作業等を請け負っているそうだ。また近年は養父市内の耕作放棄地を利用した稲作など農業にも目を向けている。
・まちの景色として何十年も残る仕事をさせて頂いている
最後に村上さんの地元 養父市森の由緒あるお寺『祐徳寺』へ案内して頂きました。
ここの瓦も村上さんが手がけたものだ。
立派なお寺ですね。ちなみに表門の屋根は村上さんのお爺さんとお父さんによるものだとか。
「この仕事はその場しのぎで楽をしようとしても、手を抜いた結果が何十年も残ってしまう。
だから手は抜けないんですよ。」
そう言いながら自らの手掛けた瓦屋根を見上げる村上さん。
屋根を守り、地域を守る。自信と誇りに満ちた眼差しが印象的でした。
村上 進一さんの但馬のオススメグルメは!?
但馬にはウマイもんが多くて迷うんだけど…やっぱり但馬牛かな。それとカニ!
村上さん、ありがとうございました。