但馬で一軒、老舗のお味噌屋さん
こがね味噌株式会社
2015.03.23

この辺りを通るたび“あれ”はなんぞや?と気になってたんですよ。
味のあるレンガ造りの煙突に「味噌?」の文字。


建物は、一部創業当時から残るものと、明治時代に建て替えた蔵など。ここで昔ながらの醸造法を続けているそうです。

すごくお肌がおきれいなんですよ。これってもしや味噌効果!?いろいろと詳しく聞かねばなりませんね!
一旦は味噌と関係のない会社に勤めたという西村さん。
「ずっと家業を残していかなければ、という使命感がありました」と当時を振り返ります。
生まれた時から蔵と一緒になっている住居で育ち、当たり前だった味噌づくりの風景。家業を手伝いながら過ごした一人っ子の西村さんにとって、跡を継ぐのは宿命のように感じていたのだといいます。
角田は平凡な鹿家庭の末っ子…260年という歴史の重みは想像もできません。
この世界に飛び込んでもうすぐ20年。苦労されたことはありますか?
「とにかく頑張ろうという思いはあったけど、苦労と感じたことはなかったかな」
じーん…かっこいい。
歴史のある道具を大切に

長い期間味噌を熟成させる木桶は、味噌の風味に直接関わってくる大事な物。空の状態で置いておくと木が傷んでだめになるので常時、味噌で満たしておくのだとか。古くから伝わる杉の木桶を直しながら大切に使っているそう。


「おそらく大正時代から使っているんじゃないかな」と西村さん。
100年ものの現役の道具たち。大切に長く使うと深い味わいが出てくるんですね、しみじみ。
伝統の味を守りたい
仕込みの日の朝は早い。
西村さんは4時から準備し、従業員と一緒に午前中ずっと作業を続けます。
「私も従業員も自分の目ですべての工程を見ているので、自信を持って商品を渡せます」と、西村さん。

「でもやっぱり手間をかけた天然醸造がうちの伝統の味。会社の存続を考えると新たな展開を考えて行かないといけませんが、基本の味だけは変えず残したい」と話します。
麹づくりは人の手で。お米をまぜまぜ…(はっ!この辺りに美肌のヒミツがあるんでは!?)
むーんと暑い麹室で作業は続きます。
最終的に熊手のような道具を使ってこのような状態に。
砂紋のようで美しい…
こうして麹の発育を促すんですって。
麹室の温度管理はとっても重要。
西村さんは夜中も1、2度見に行き作業するとか。まるで赤子のようにつきっきり!
輝け☆働く女性たち

1年目というフレッシュな堀内さんは7時半出勤。早い!どうしてこの会社に?
「最初のきっかけは求人を見てなんとなく…でも今は仕事が楽しいです!」と満面の笑顔。
味噌づくりの工程を知り、ものづくりの楽しさを感じているそうです。
んー、ステキ女子認定!!
長年勤め上げた職人が引退し、西村さんは若手の人材育成の真っ最中。
「私が指示しなくても動いてもらえる範囲が増えた。仕事に誇りを持ってもらえたら」と話します。

「それがけっこう的を得ていて。ドキッとすることがありますね」と、西村さん。
経営者であり、母であり、両方の視点を感じました。現在、但馬内のスーパーや道の駅、京阪神の加工業者の他、ロサンゼルスやハワイ、中国の日本食レストランにも販路があるといいます。また最近では、地元「但馬醸造所」とのコラボ商品「酢みそ」を販売。
「海外の販路拡大と新たな商品づくりは今後の目標。特に今は女性がどんどん仕事をする時代。安全でおいしくて忙しい女性を助けるような商品を考えたい」と、働く女性ならではの思いを教えてくれました。

明日は味噌炒めをつくろうっと!
こがね味噌株式会社 常務取締役 西村秀子さん
「夏は海(竹野浜とか)、冬はスキー場。神鍋のニジマス釣りもいい。1日ぼーっとできて、日差しが浴びれるところがいいかな」